もうこうやって何分



ただ感情をぶつけているだろう





















亮の事が好きになったのは、あたしの方が早かった。

どうして分かるかっていったら、あたしが気持ちに気付いたとき、

まだ亮には彼女が居たから。ちなみに元親友の、だけど。



亮と付き合うきっかけを作ったのは、あたしだった。

なんでかって言ったら、もう零れ落ちそうな気持ちを告白したのは

忘れられない去年の秋のあたしだったから。



亮とのデートもいつもあたしから。

亮と初めて手を繋いだのもあたしからだった。



言って、否定された事は無いけれど。

ワガママなのかな、ここまでだと心配になってくる。


亮は、あたしの事、本当に好きなの?







「どう思う?恋愛の達人の渋沢君」

「そう言われても…」


放課後、教室に残っていた渋沢に、なんとなく相談してみる。

亮の元彼女、と付き合っている渋沢。

あの子は、かなり遊んじゃってる女だから、詳しいでしょ?恋愛に。


「あんた達は、もうヤったわけ?」

「ああ、一応な…」

「亮ってさ、女に攻め寄るの上手なんじゃなかったっけ?」

「そういう噂はあったな…」


何を言っても曖昧な返事しか返ってこない。

もしかして、あたしと二人きりでいることに罪悪感、とか?

いいなあ、はそんなに思われてて…


「…

「ん?」

「もう少し…三上を、信用してやったらどうだ?」



え?

信、用…?



「好きなら、三上をもう少し信じてやるといいと俺は思うんだがな」

「………」

「まあ、三上にも落ち度はたくさんあると思うけど」



そう、か。信用、か。

少し涙が零れそうになったけど、それとは逆に本能がにっこりと笑う。



「ありがと、渋沢」

「ああ」



もう少し、三上を信じよう。

そう思って、教室を後にした。

部活後の帰り道を、ほんのり楽しみにしながら。






「…と、言うわけなんだが」

「そうか…俺…」



サッカー部、練習の合間に渋沢が三上にの思いを伝えた。



「もう少し、信用しておけとは言ったけどな、お前も…」

「わーったよ。ホントお人よしだよなキャプテンさんは」



練習しましょうよ先ぱーい、なんて

呑気な藤代の声を聞き流しながら、

いいことを思いついた三上はにやりと笑ってから、

自分の泥臭さに苦笑して勝手に照れた。






「よお、

「亮、お疲れ様」



帰り道、いつもの待ち合わせ場所駐輪場で、二人は出会う。

生憎三上は寮生活だが、そこそこ近いの家まで送って行くのが日課になっている。



「今日、いつもより少し早くない?」


なんとなくそわそわしているのが目に見える、

アホだな、と三上は、彼女のそんな可愛らしさに微笑んだ。



、」



意味もなく、その名前を口から紡ぐ。



「何?」



少しだけ、顔が火照った。



「お前の事、好きなんだからな」



そっぽを向かず、真っ直ぐに。

の目からは、涙がとめどなく溢れた。



「亮…」



ありがと、

その言葉が合図だったのか否か、

人通りの少ないこの土手道で、

二人は初めて唇を重ねあった。





もうこうやって何分



ただ感情をぶつけているだろう




苦しいくらいの思いで、

ただ口を奪い合った。






「亮、」

「あ?」


「大好き」

「んな事わーってるよ」


「亮、」

「だから何?」


「あたしの事、好き?」

「………」


「好き?」

「……おー」



抱きしめあって体温を確かめ合う。

今、あたしが包んでいる、

あたしを包んでくれている貴方が、



とてつもなく、好きで。

一生離れたくない。

一生離れない。














何HITかのキリリク、甘々の三上夢…です。
甘い、ですか?(滝汗)

なんだか訳のわからなくなっておりますけど、
許してやってください(土下座)

七夏様のみ、煮るも焼くもお好きにどうぞです。

失礼しましたー(そそくさ)


(c)愛渚 雛古 2004.04.30