隣の席には、大好きなアナタが居るから



授業なんて、耳に入らないよ




















今年の、春。

ついにあたしにも恋の女神様が舞い降りた。



ずっとずっと大好きだった竹巳君と、ついに隣の席になったのです。

これはもう、このまま両思いになるしかないってもんだよね?



そんなわけで手辺り次第おまじないとかをやってます。

そういうの、結構信じるタチなんだよね、あたし。

占いは、良いことしか信じないけど…



ところで、今は数学の時間。

おばちゃん先生のぐだぐだした話を軽くスルーしながら、やっぱり竹巳君の事を考えていた。



隣に居るのにって?

何言ってるの、隣に居るからこそよ。



愛しい横顔を見つめながら、デートは遊園地がいいなーって…



さん」



急に名前を呼ばれて、

は、はい!なんて、必要以上に全身で反応してしまった。



くすくす笑いながら、笑顔の竹巳君が言う。



「消ゴム、貸してくれない?」



…もちろんですとも!

竹巳君でも消ゴム忘れたりするんだね…

って、あああっ!!



「やっぱ、駄目!」



消ゴムさえ貸してやらないケチな女だと思われたのか、きょとんとする竹巳君。

えーっと…どうやって説明するべき?



「えっと…あの…」

「もしかして、消ゴムに好きな人の名前書いて誰にも触られずに使いきると恋が実るってヤツ?」

「…うん」



うわあ、絶対変な奴だと思われた…!



「可愛いね、俺、そういうの結構好きだよ」

「へ?」



予想外の言葉に、きょとんとしてしまった。

クスクス笑う竹巳君。

え、えーと…



「で、誰の名前書いたの?」

「え?」



にこって、そんな満面な笑顔でこっちを見るなんて。



反則だ…



「教えてよ、さんの好きな人」

「や、やだ」

「ふーん、じゃあ消しゴム借りていい?」

「それも駄目ー!」



案外、意地悪なのか、遊ばれてる気がする。

だけど、その笑顔が可愛い。



「好きな子の好きな人知りたいのは、当り前だろ?」



…………………

……………え?



「俺は、が好き。で、はい次はの番」

「え、えーと…」



在りえない、事が起こってしまった。

願っては、いた。いたけど…

まさか本当に叶うなんて。



「はいっ」



消しゴムのケースをガバッと取る。

ピンク色のペンで、すごく丁寧に書いた文字。



『笠井竹巳』



「……良かった」

「…〜っ…」

「真っ赤になってるよ、

「…うるさいー!!」



「うるさいのは貴方よ、さん」



チョークが飛んできて、先生の青筋が目に入る。

や、やばい…



「先生、次の問題俺が解きます」

「え?あ、はい、え、じゃあ笠井君、よろしく」



笠井君が行き成り立ち上がって、先生の注意がそっちへ行った。

良かった…



ふと、ノートの隅を見ると、

そこには走り書きした笠井君の文字が躍っていた。



『今日は、一緒に帰ろっか』



これからは、竹巳って呼ぼう。
















宝探しリク、授業中の笠井君でした。
ありがちですか?ええ、そうですとも。
ありがちな話しかかけません。すいません…

まこと様のみ、煮るも焼くもお好きにどうぞです。
素敵なリクをありがとうございました!


(c)愛渚 雛古 2004.04.17