聖なる日はアナタと共に






俺は何時ものように朝起きて、自転車での家までを迎えに行く。

でも、いつもより少しだけ浮かれている自分がいた。

今日は4月19日…俺の誕生日だから。

そりゃ、毎年そんな事気にもしていなかったんだけど…今年は違うんだよね。

だって、と出会ってから初めての誕生日なんだぜ。

どんなお祝いしてくれるのかな?って考えると…ちょっと嬉しくなる。



「おはよ、

「姫おそいよー」

「迎えに来てもらってるだけ有り難いと思ってよね」

「はいはい」



は適当に返事をして、自転車の荷台に乗る。

俺は今までより重たくなったペダルをおもいっきり踏んで自転車を走らせる。



「コラ、椎名!!自転車は駄目といっているだろう!」



後ろからキューピーの叫び声が聞こえる。だけど何時もの事だから普通にシカト。

生徒用の自転車置場には『登校許可』のシールが貼ってない、

直樹、五助、六助、柾輝の自転車が並んでいる。

俺はその横に自分の自転車を止めた。ホントは俺等、チャリ通したら駄目な距離なんだよね。



『キャー!翼くーん!』

「うわっ、来たよ」

「いつもより人数多くない?」

「当たり前だろ」

「何で?」

「何でって…」



本気で言ってんの?あ、もしかして俺の誕生日知らないとか?それはないか…

だって前『翼って、武蔵森の監督と誕生日一緒なんだベ!』とか言ってたし…。

ってか、何でお前が知ってんだよ。って話だよな。



「ひーめー。早く行こー!」

「う、うん」



下駄箱にはすごい数のプレゼントが詰め込まれていた。

ってか、靴と一緒にプレゼント入れるやつの顔が見てみたいよ。



「あれ?今日ってバレンタイン?」

「そんなの2ヶ月と5日前に終わってるよ」

「じゃぁホワイトデー!」

「それは1ヶ月と5日前に終わってる」

「そっかー。ファンクラブなやつら、ついに平日までに手を出し始めたか」

「…本気で言ってんの?それ」

「え…」

「もーいよ」



俺がを老いて歩き始めたときのの不適な笑みを俺は見逃していた。










それから昼休みまで、ずっとファンクラブの奴らに追い回されていた。

はっきり言って俺、以外の女からの祝福なんか嬉しくないから。



「ねーまーくん。そのパンちょーだい?」

「やだよ。んなもん自分で買ってこい」

「いやー!」

「あ、おい!食うなよ!」



廊下ではなんか柾輝とがいちゃついてるしさ。

俺と柾輝って言ったら、柾輝のほうがの彼氏として成り立ってるよな…。



「あ、姫ー!!」



柾輝の背中におぶわれながら、ブンブン手をフルがいる。

そして、柾輝から飛び降りてこっちに走ってくる。

可愛い…な。



「たはー。姫大変だねー。5.6時間目サボらない?」

「いいよ」



今度こそ「おめでとう」って言ってもらえるんじゃないか。

そう思って少し浮かれながらもと一緒に屋上に向かった。








が、この二時間殆ど他愛のない話で終わった。

別に、楽しかったから何も言わないけどさ…

さすがに誕生日の『た』の字も出てこないと俺だって虚しくなってくるわけで…



「あの…」



キーンコーンカーンコーン



「あ、チャイム鳴った!戻ろ?」

「あ…そだね」



策士なのかおとぼけなのかは知らないけど、うまくはぐらかされてしまった。

こうなったら次は部活の後だな!!



「なぁ、

「ちょっと姫っち!早く着替えて来てよ!」

「あ、悪い」



今度はお説教ときたもんだ。

確かにはあんまり話し聞かないけど、ここまでだとちょっとビックリするよね。

でも、かうなったら最後のチャンス…別れ際に全てを賭ける!



「送ってくれてありがと。明日の朝もよろしくね」

「あぁ。ねぇ

「ほら、早く帰った!姫可愛いから襲われちゃうよ?」

「馬鹿にしてんの?」

「違う違う。じゃぁ、また明日ね」

「じゃぁ」



俺はそのまま玄関に入っていくを見つめた。

って、「おめでとう」って言ってもらってないんだけど…俺。






「翼ー!ご飯は?」

「いらない」



家に帰って、柄にもなく落ち込んでた。

ホントに忘れてた?が?

あいつそんなに記憶力悪かったっけ?そんな事ないよな。

、俺並に頭いいはずだし。



ずっとベットに潜っていた俺が、何を思ったのかふとケータイを見た。

ケータイのデジタル時計は23:55と律義に示してくれていた。あと5分…後5分で4月19日が終わる。



ピリリリ ピリリリ



「誰だよ!」



俺は悪態を付きながらケータイを開く。そこには『』という文字が…

内容は『今すぐ何時もの公園に』とだけ書かれていた。

俺は跳び起きて、全力疾走で公園に向かった。

手に握ったケータイを見ると23:58と示されていた。



「ひーめ」

?」



後ろから声がして、俺はそっちを向いた。

するとそこにはの姿があった。

はこっちまで歩いて来て俺と目を合わせる。

一瞬下を向いたけど、笑顔で俺をじっと見つめる。



「翼、お誕生日おめでとう。それから、生まれて来てくれてありがとう」

「……っ」



ニッコリ笑うを見て、衝動的にを抱きしめていた。

格好悪い話し、少しだけ泣きそうになった。



「ほんとに…びっくりさせんなよな。
 もしにおめでとうって言ってもらえなかったらどうしようかと思ったんだからね?」

「ちょっと姫、何泣いてんの?」

「な、泣いてなんかない」

「そう?」



だけど、俺が鼻を啜り上げる音は、にもバッチリ聞こえていたと思う。



「泣かないでよ」

「泣いてない」

「姫が泣くと聞きも泣きたくなるじゃんか」

「泣けば?偉大なる椎名翼様の誕生日なんだし」

「ば、ばかー」



普通に考えて、が泣くのはおかしいだろ。

だけど、そんなこともちょっと嬉しかったりするんだよね。





「何?」

「サンキュ」

「…どういたしまして」



俺はから少し身体を離し、、に口付ける。

一生に1度の14歳と15歳の間を、俺は愛しのと過ごすことが来た。

ホント、サンキュな。



「翼、大好き」

「俺も、の事大好き」



2人していたずらっぽく笑って、もう一度唇を重ねた。




→オワリ←



アトガキ

何か異様に長くなった。もう少し簡潔に書こうと思ったんだけどな。
まぁ、何はともあれ


お 誕 生 日 お め で と う 、 椎 名 翼 く ん 。


って感じです。きっと椎葉が一年で1番嬉しい日です。
高校に受かるよりも、ハリウッドスターになるよりも、
たった1年の4/19って言う日が好きです。
本当に、本当に、心の底からおめでとう。

ちなみに言いますと、5/19までフリー夢なのでお持ち帰りオッケーです。
でも、著作権は放棄してませんので、「椎葉が書いた」って示してくだされば、
好きにしていただいてけっこうです。


※椎葉姫々様に頂きました!
 間違っても愛仁にこんな素敵な文は書けません。
 著作権は椎葉様にあります。パクり厳禁!(当り前です)


===お礼の言葉===

姫々のサイトで期間限定フリーだったので勝手に強奪頂いてきましたv
ちゃんと後で報告してきますよ!?(当り前じゃ)

ああ、やきもきしてる翼がかわいいーv
そしてちょこっと意地悪なヒロインちゃんがかわいいーv
自転車置き場のシーン(ぇ?)を想像して、思わずニヤけてしまいました。ビバ☆ヒバ。

こんな素敵な夢をフリーにしてくださるとは、なんと太っ腹な!
姫々の心に感謝ですvありがとうございますー!!


ヘタレ管理人 菜村愛仁。

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