大事な大事な吹奏楽の部活を
今日だけは、サボることになった。
どうしても、見たい人が居たから。

「「シゲちゃーん、こっち向いてー!!」」
水野先輩を取り巻いて居た人達が
最近はシゲ先輩にまで手を出すようになっていた。
不良ぶっているにしたって、お金のためにしか動かないにしたって、
顔はかなり格好いい、佐藤先輩。
顔しかみない水野先輩の追っかけ軍が、
佐藤先輩へ黄色い声をあげるのだって、うなづけるといえば、うなづけるのだ。
「「きゃー!すっごーい!カッコイイー」」
練習試合にシュートを決めてガッツポーズを取って、
ふざけ混じりか軍団の方へと笑顔で手を振る。
それに反響してまた上がる、甲高い声。
後ろ風になびく金髪が、眩しすぎるの…
『あたしを見て?』
そんな女達の方を見ていないで
あたしを見てください、先輩。
心の中で紡いだって、もちろん届かない。
この高いフェンスで、あたしと先輩はいつだって区切られている。
今までも、これからも。
「「シゲちゃーん、水野くーん!!」」
あんな女には死んでもなりたくない、と思った。
ねえ、あたしは、先輩の顔が好きなんじゃない。
泣いていた迷子の女の子を助けていたところ、
不良ぶってるけど心は優しいいことをちゃんと知っていて。
「ちょっと、あんたら。うるさいんだけど?」
いつの間にか口と手と動き出していて
女達に喧嘩を売っていた。
「…は?」
「何こいつ、生意気ー」
生意気だっていい、ウザがられたって悪くたって、
あたしはあんた達なんかに負けやしない。
シゲ先輩を想う気持ちは、
絶対に負けない。
「あー、ストップストップ!女の子の喧嘩はあかんで?顔に傷残るさかい」
あたしの頬を殴ろうとした手を
シゲ先輩が止めていて。
「だって…ってシゲちゃん!?あれ、試合…」
「自分らの勝ちや、2−0。今、挨拶…」
突然のことに朦朧とした頭でコートを見ると
水野先輩がシゲ先輩の名前を呼んでいた。
「ちょー待っとりぃてタツボン!…こないな場面見て黙っとれるわけないやろ?」
「シゲちゃん、なんでこんな女の味方するの!?コイツ、生意気で…」
「そうよ、あたし達に向かって…」
瞬間、ニィッとシゲ先輩があたしに笑顔を向ける。
そんな笑顔、反則。レッドカード出していいですか?
「そのクソ生意気な女が、俺の彼女やもんなあ、昨日からやねんけど」
「え、うそ…」
「うそちゃうで、ついでに言うとくと俺から、」
それは昨日の放課後、いきなり呼び出されて好きだと言われた。
今までみていたシゲ先輩があたしなんかに、
夢の中だけの出来事だと思っていたのに。
「なあ、」
「…まあ、そうなんじゃないですかね」
「何や、冷たいやん。シゲちゃん泣いてまうでー」
呆然とする女達。
コートの中から怒っている水野先輩。
フェンスのところまで呼びに来た風祭先輩。
走っていくシゲ先輩。
フェンスに遮られていたあたしは
どうしてだか走っていくシゲ先輩の金髪を見ても
壁は感じなかった。
神様が取ってくれていた
あたしと先輩の淡い壁。

…はじめて書いた夢小説のリベンジ編。
リベンジできてな…!orz
更に意味不明になった可能性大。
関西弁難しいです。ワカリマセン。
…ま、まあノリで書いたブツだと流して
言葉のあやふやは愛でのりきり…
っと、こんなわけわかめなアトガキを残して消えます。
逃げます。
(c)愛渚 雛古 2005.08.06改